CD収録曲解説
1. Voces de la Sierra (Voices from the Highland)
イントロのギターアルペジオのアイデアはバンジョーの3フィンガースタイルから来ているのかもしれません。5/4拍子と6/4
拍子がいろいろ混ざって出てきます。曲の途中からはフリーになって再びイントロに戻ります。いろんなアイデアが詰め込まれてま
すが、全体を通してなかなかまとまったと思います。高い山脈を悠々と飛んでいくコンドルの歌って感じかな。
2. Vistas del Pasado (Views of the Past)
思い入れのある曲です。このギターイントロはもう何度弾いたことか。日本語ヴァ−ジョンもあります。「いつか君と訪れた場所、
君が生まれたこの季節に、、、時を渡る船を浮かべて、君に届けようこの景色を」日本語の詞は葉桐弓子さんが書いてくれました。
もしシングルを出すことがあったら(ないやろけど)この曲を選ぶかな。
3. What We Have Lost
「私達が失ったもの」。暗いムードから始まってセクションを追うごとに少しずつ明るくなっていきます。不思議なハーモニー。
4. Something Reminds Me of You
アルバムの中で最もジャズっぽい曲です。譜面も2枚でおさまっています(珍し!)。この曲はかなりすらすら書けたような気がし
ます。自分の曲ながらほとんどギターの出る幕はありません。トランぺットのDanが熱いソロを吹いています。ふとしたときに何気な
いものが、特定の出来事とか人を思い出させてくれることがあります。
5. Nunca He Estado Alli (Iォve Never Been There)
Motoがソロベースで素晴らしいイントロを作ってくれました。ライブやったら、さらにどんどん弾いてくれるんやろなあ。リズムはア
ルゼンチンのmilonga(ミロンガ)。サビからちょっとタンゴっぽくなります。曲の中で何度かキーが変わり、ドラマティックな感じに
仕上がったと思います。
6. El Otro Lado del Mundo (The Other Side of the World)
Alejandraをフィーチャーした曲です。基本リズムはウルグアイのmurga(ムルガ)。この曲は、友達でもあり、僕が多大な影響を受
けた素晴らしいギタリスト、コンポ−ザ−Julio Santillanのために書きました。ライブでは、ドラムのFrancoが、どこまで行くんっ
ていうくらい強烈なソロを聴かせてくれます。
「君は世界の反対側からやってきた。山のリズムを伴って。数々の大洋や国境を超えてきた。その魂の歌を伝えるために。君の蒔いた
種はいろんな場所で芽吹き始めている。やがて咲くであろうその花は、その美しさと真実をもって人々を魅了するだろう」
7. Sceneries
この曲では途中から日本語の歌詞が出てきます。このリズムはありそうでなかったオリジナルです。Djembe、Ocean DrumやCajonな
どのたくさん入ったパーカッションと、Andrewの吹くメロディカが無国籍(?)っぽい感じを出しています。
8. Nostalgia por un Lugar Desconocido (Nostalgia for an Unknown Place)
唯一のカバー曲です。といっても作曲者の葉桐弓子さんはバンドのオリジナルメンバーでした。この曲は元々日本語の歌詞がつい
ていて、彼女がストリングスをバックに歌っていたのが心に残っています。独特の旋律とハーモニーを持った曲で、僕には作れない
タイプの曲です。Bombo(アルゼンチンの太鼓)とpalmas(手拍子)を入れた新しいアレンジで、ちょっとフォルクロ−レ色が出ま
した。
9. Samba de Siempre (Same Old Samba)
歌いやすく、強いメロディーを持つ曲です。この曲を書いてもう随分と経ちます。サビの部分からサンバになります。けど、そんなに
ブラジルっぽくないとこがポイント。
「私の声があなたに届くとき、歌が生まれる。幾つもの山々を超えて。ずっと歌い続けるよ、あなたの苦しみが少しでも減るのなら」
10.Summerville
アメリカに来て初めに書いた曲。もう3年以上も前のことです。タイトルのSummervilleは、「夏の村」という意味の造語。
「夏になると毎年訪れていた谷間の小さな村。何も新しさはないけれど、久しぶりにそこへ行き再び現実の世界に戻ってみると、
自分の中にもまだ変わっていないものがあることに気付いた」