2004年3月
"Minas" "Gerais" Milton Nascimento 久しぶりに聴いた。日本で大学生だった頃みんながボサノバやジョビンを好んでいた傍ら俺はミルトンを偏愛し、彼の音楽と存在は特別 だった。さらには俺は自分の音楽的なアイデンティーをそこに求めようとしていたのかも知れない。よく「浮遊感」や「内省的」と表現 される彼の音楽だが、これは軽いボサでも一般的なブラジル音楽でもなくミルトンが70年代に仲間と築き上げた深い作品だ。Clube da Esquinaの素晴らしさは言うまでもないが、この"Gerais"はアルバムを通して感動が止まらない。もしこれらの作品を愛する理由を挙げる なら、そこに「大地の匂い」を感じるからかもしれない。自分にとっての憧憬の地であるブラジル、ミナス州だが、先日ミナス出身の友 人サポと話していてミナスの治安や政治の現実的な面を知って一瞬はっと夢からふとさめたような感覚を抱いた。
"吐露" Kimdonor Yul 韓国のシンガーソングライター、キムドンユルの最新アルバム。アルバムを通して今聴いているが1曲目がいい。彼は去年までバークリ −で学んでいたがあまり歌を聴いたことがなかったので、こんな歌い方するんかーって意外やった。声と歌い方が独特で好きだ。一聴し たところ1曲目以外は結構普通で同じコードを使い過ぎなとこがあったり、盛り上がる箇所がたくさんあって「そんな盛り上がらんでも」 って思ったりもしたけど、これは必ず売れると確信した。歌詞が分かったらなあ。
JBL EON G2 Powered Speaker しばらくの間クラシックギター用にアンプを探していたが、Julioの推薦でJBLのスピーカーを先日購入し、早速昨日のライブで使った。 かなりやりやすかったし、音もよかった。ずっと長い間悩ませ続けれられていたハウリングも気にならなかった。同時に購入したAlesis のNanoverbと一緒に使ったらなかなかいい感じ。この先もっといろんな所で使っていきたい。
"Cositas Buenas" Paco de Lucia フラメンコギタリストのPaco de Luciaの新しいアルバム。リズムの歯切れの良さが最高に気持ちいい。ジャケットに映るパコを見た時 すごく老けたなあとショックだったが鬚を備えた貫禄の表情はとても渋い。フラメンコの形式はそんなに知らないが、よくもここまで 洗練されて質の高い伝統音楽が生まれるもんだと思う。ギターの音もほんま最高やし、このスピード感!パコさんおそれいりました。
ボストンーガザー東京 本来自分にとって、そして多くの人にとっての毎日はそんなに多くの外からの情報を必要としていない。でも現在生活していく中では一 瞬にして世界で何が起こっているのかを知ることができる。時にそれを知ったとき自分の中に何かしらの思いが沸き上がるが、それに対 して自分が何かできるわけではない。その感慨は次々に送り込まれる新たな情報によって薄れ、やがてかき消される。先日のガザでの事 件を知ったとき本当にがっかりしたし憤りも感じた。俺がそれを叫んだところでどうなるもんでもないというのなら、世界の多くの人々 が同じ声を発したとしてもその行き先は一体どこなのか。
降雪切考 3月というと春の一歩手前という印象があるが、今年は例年になく寒く数日前から雪。部屋の模様替えをし、ルームメイトと家の大掃 除。気分はなんか年の暮れのよう。ピアニストのVardan Ovsepianのライブに行く。どこにもない美しい音楽。その音楽を聴きながら彼 がなぜそのメロディーを書いたのだろうと考えてると、一つ一つの音がすごく尊く感じられた。 話し変わってサッカー選手のバルデラマ(写真)がとうとう引退するらしい。ライオンのような風貌と自由自在のパスワーク。ほんま 最高やったなあ。 最近一つのものに集中できない。今日もいろんな音楽を聴き、幾冊かの本をランダムに読んだ。Salif Keita、Milton Nascimento、 Freddie Hubbard、空海、エルサレム、、、
作曲 新曲ができた。時々、作曲をするときのインスピレーションは何かと聞かれることがあるが、残念ながら俺の場合この景色を見てとか これを聴いてとか音楽以外の何かが作用して曲が進むことはほとんどない。曲を作る時は音楽以外のものが入り込む余地はなく、ひた すら音と音との繋がりに集中する。でも曲が完成した後なんとなく自分の中にその曲のイメージが出来上がることはよくあるし、そ れにそってタイトルを決めたりもする。昔は曲を作るとき、パットメセニーっぽいのが作りたいとか思ったりしてたし聴いた人からも それっぽいと言われてうれしかったりした。でもここ何年間はもうそういうことは何も考えずにやってきたて、ようやくそういうやり 方も馴染んできた気がする。ただ人にどんな音楽を作ってるんですかと尋ねられたとき、どう表現していいのか困ることがある。俺に とっては音楽の名前とか本当にどうでもいいのだが、やっぱり聴いたことのない人のためにちゃんと説明するっていうのも大切なこと のように思ったりもする。
"Blake & Tony" Norman Blake & Tony Rice" 最近自分の中でブルーグラスやフォークがブームだ。このアルバムはアコースティックギターと歌というシンプルな編成。もちろん二人 共ギターはむちゃくちゃ上手いけど、歌がほんまにいい。アメリカンルーツ音楽の継承者で研究者でもあるNorman Blakeとブルーグラス ギターの最高峰Tony Rice。今日は本当にいい「発見」をした。今世間にあふれるポップのほとんどはいかに情を入れて歌い上げるかみた いなところがあるけど、この2人は淡々と落ち着いて弾き語る。 "I'm comin' back but I don't know when..."